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秊の会


教室の秋のお浚い会「第1回 秊の会」無事終了いたしました。

はじめてのことで、設営から撤去まで、時間が瞬く間に過ぎていきました。

そんな中、皆さん本番は本当によく頑張ってくださいました。一番小さな生徒さん、三年生の桃ちゃんも本当によく舞われていました。

会場の誓願寺さん講堂は、古い木造建築の畳の間で、お三味線の音色と先生方のお声が本当に柔らかく届き、より心地よく聴かせて頂きました。

本堂ではご法事が行われていたようで、ちょうど「黒髪」の「♪鐘の声~」のあたりで鐘の声が聞こえてきました。この環境ならではです。

そして今回、90名を超えるお客様がご来場くださいました。お越しくださいました皆さま、本当に有難うございました。

私は今回上方唄「世界」を舞わせて頂きました。

「世界」とは色里の世界、廓のことです。松の位の太夫、間夫と客との恋のもつれ、人目を忍ぶ深網笠の客、ふてくされる端女郎衆、仲居、冷やかしの客、笠持の男衆などさまざまな男女が織りなす一つの色の世界。作詞作曲は不明で、おそらく遊里、色里の世界、で作られた曲だとされています。廓で生きていくもののたくましさと、それに哀愁がそこはかとなく漂う曲です。

とても好きな曲ですが、舞わせていただいて、その舞分けがいかに難しいかを改めて感じました。これまでに拝見した先輩方の「世界」が、更に遠く遠く感じられました。。。

地方の奥田先生、長谷川先生、撮影の櫻井さん、司会の真己さん、そしてお手伝いして下さった方々、本当に有難うございました。この場をお借りして御礼を申し上げます。

「秊(みのり)」は「年」の旧字です。豊作の意味と、もう一つはその年と翌年の実りを舞い祈るという意味を持ちます。

一年かけて成長したその実りを、お客様にご覧いただきたいという思いと、一年(秊)ごとに一つ増える年輪のように、回を重ねるごとに、少しずつでも、太くしっかりとした会となっていけるよう願いを込めて名付けました。

ご遠方からもお越し頂きました。

ただただ感謝を申し上げます。

吉村なを 深謝


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